待ち合わせ おまけ

大学時代家内と知り合い、初めて家内を家まで送って行った時、自宅に近づくと、「良いもの見せてあげようか?」と、播州地場の「太和殿」という結婚式場の駐車場に誘導された。
「え~、積極的~」と思いながらエントランスに入っていくと、吹き抜けの壁を見上げている。
僕もそれを見ながら・・・
「ん?ひょっとして・・ちゃん?」
お色直しの着物衣装で着飾った家内が、大アップでそこにいた。

これにはタマゲました。
小学生の頃から、お茶とお華を稽古しており、すでに免許皆伝者です。
地元でも「美少女」として目立っていたので、プロじゃないけど、お茶お華の先生を通じて、着物モデルのお話がよく来るそうです。
着慣れている人じゃないと自然観が出ないのだとか。

背筋を伸ばし、細い首が伸び、凛とした佇まいで歩く後ろ姿が美しく、それを褒めたことがあります。
お茶をやっていれば、自然に皆そういう歩き方になるのよ・・・。
因みに数年後、太和殿がローカルTV局でCMを流すようになり、砂浜の海岸を走るモデルが藤原紀香さんでした。
家内も、関西ローカル局・サンテレビですが、地元企業CMに出演していたことがあります。

僕は就職で東京に転出し、家内とは遠距離恋愛になりました。
僕を「新幹線・新大阪駅」まで見送りに来てくれた日、「東京には綺麗な人がたくさんいるから、私のことは忘れてくれてもいいよ」なんて言います。
頬には涙が溢れており、「そんなことないよ。毎日電話するから」と言って、しっかり抱きしめた。
女性の涙は、最強です。
家内はいつも、自分の希望・意思を上手に伝えて来ます。
僕もこの時負けたと思いましたが、僕らの子供たちを一度も叱らず、上手に育て上げました。

出発時間になり、車内に入り、ドア越しに家内と別れ席に着くと、隣のおっちゃんが僕らを見ていたようで・・・というより、めちゃめちゃ目立ってたので、視線をたくさん感じながら、家内の目を見つめていた・・・
「兄ちゃんやるな、彼女大事にせなあかんよ」と言われた。

ホームでのこの様子を、なんとTV局に撮られていた。
涙を濡らしながら電車で帰る家内に、TV局から接触があり、家に帰る電車内でもずっとカメラで撮られていました。
インタビューも受け、僕らの馴れ初めや現在の状況など聞かれたのだとか・・・美人は、何かと得です。

後日家内から電話があり、「あのね、短い番組になってTVで流れるよ、いい?」って。
新幹線の駅での恋人の別れのシーンを撮ってたようで、スポット的に放送されました。
そういうのが何本かあり、数年後、「シンデレラエキスプレス」というスポット番組になりました。
そして、JR東海の「シンデレラエキスプレス」や「クリスマスエキスプレス」のCMに発展していった。
今でも、新幹線ホームでは、恋人たちの「シンデレラエキスプレス」が日曜の夜に花を咲かせているだろう。

1年後、大阪支店の欠員が出て関西に戻るまで、毎月1回、行ったり来たりの遠距離デートをした。
荒井由実の歌詞に出てくる「山手のドルフィン」で食事をしたこともある。
東京駅と新大阪駅で、再会を喜び、涙の別れを毎月繰り返した。
携帯電話がないからこそ、駅で会えないかも知れない不安を感じながら家内を探し、再会の喜びが倍増する。

そんな想い出が素敵で、家内と待ち合わせる時、携帯電話の電源は入れながらも、前もって電話で現在地を聞くことはしない。
この電車かな? 次かな? と思いながら、待ち人の顔を浮かべながら、改札口から出てくる人波を見ているのが好きだ。
これからも、待ち合わせ時間に遅れないよう早めに行って待つ人生を送っていこう。


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