待ち合わせ その2

男女共学大学生になり、男子校ゆえ女の子に免疫のなかった僕も、女の子に声を掛けるようになった。
同じ学部の別の英語クラスに、学部学年一の美人さんがいた。
高校同級生と同じクラスだったので、そのことを話すと、彼女はクラスの誰かを気に入ってるらしいとの噂があるという。

そいつも、もう一人のクラスの女子(彼のクラスには女の子2人だけ)が気に入ってるらしく、彼に声を掛けてもらい、お昼ごはんを4人で食べた。
彼女とはお付き合いが始まり、神戸異人館などいろんなとこをドライブデートした。
異人館街に「占い館」みたいなとこがあり、「私達の将来を占ってもらおう」と誘われるまま、占ってもらったこともある。
「結婚」というワードが出ると赤面してしまうが、女の子はこういうことが平気なんだとわかった。
僕も、「この子とは結婚はしないけど・・・」という気持ちで付き合ったことはないけど、流石に言葉には出さない。

僕の所属するヨット部のマネージャーになろうかな? なんてことも言ってくれたが、実現しないままだった。
きっと、僕の「彼女が同じクラブにいると、からかわれてかなわん」という気持ちが表に出ていたのだと思う。

その年のクリスマスは、ヨット部主催のスキーツアーに参加してくれた。
彼女はプロポーションが素晴らしく、ヨット部内で評判になったが、2人だけでラブリーな時間を過ごすなんてことは、周りの目がありできなかった。
僕のGFさんと話していたので、部員に羨ましがられた。

1回生の後期試験は、学費値上げ闘争の影響で、試験が中止されレポート提出で代用された。
彼女の家に行き、こたつで2人でせっせとレポートを書いたりした。
文字好き・作文好きの僕は、お陰で「優」のオンパレードで1回生を終えた。

一緒のゼミを取ったり交際は順調だったが、春から秋までのヨットシーズン中、休日を一緒に過ごせないのが寂しいらしく、ボーリング同好会に入部した。
高校時代、バスケットボール部だったので、運動をするのが楽しく、後で知ったのだが部内で1年先輩の虫がすぐついてしまったようだ。

「お前の彼女、知らんやつと手を繋いでいたぞ、別れたんか?」と友人に言われ、「まさか」と無視していた。
12月になり、神戸でデートしてた時、イタリアンレストランのクリスマス・ディナーチケットを買った。

「その日はここで待ち合わせて・・・」と約束も出来上がり、ウキウキでその日を迎える前日、彼女から電話が掛かってきた。
僕の家に連れてきたこともあるし、うちの母親を連れて3人で、美術館ドライブデートをしたこともあるので、母親と長電話した後僕に代わった。

「クリスマスディナーに行けなくなったの・・・ボーリング同好会の先輩と付き合うようになったの・・・ごめんなさい。学校でしか会えないので、寂しかったの・・・これからは、良い友達として・・・」
ショックだったけど、仕方ないと思った。
約束の前日まで、僕に別れの言葉を言い出せず、苦しんだのだろう。
「うん、わかった」と答えるだけだった。

気持ちの整理がつかず、クリスマスディナー当日、待ち合わせ場所に待ち合わせの時間に行った。
ディナーチケットは、お互いが持っていたので、来るかもしれない・・・。
もちろん来るはずがなく、約束の時間が過ぎ、暗くなってきても、ただボーッと待っていた。
多くのカップルが落ち合い、笑顔とともにその場を去っていった。
僕は、ただそれを見ているだけ・・・。


山下達郎・クリスマスイブの歌詞のように、雪が降ってきた。
「きっと君は来ない、一人きりのクリスマスイブ♪・・・」
雪が強くなり、失意のうちにその場を離れた。
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